3/27の米国為替市場では、Facebookの個人データが不正に第3者へ渡った問題が、IT企業への規制強化の懸念に繋がるとして、ダウ平均株価は300ドル以上の値下がりをしました。
参考:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180328/k10011382031000.html?utm_int=all_side_business-ranking_001
これに引きずられるように、為替市場でもドル価格が軒並み下落しました。
今回はこの値動きを例にとって、ダウ市場と為替相場の関連性を分かりやすく解説します。
ダウ相場と為替の関連性
2018年3月27日、Facebookの個人データ流出問題をきっかけに、IT企業への不安が広がり、ダウ相場は一時300ドル以上も値下がりしました。
さらにアリゾナ州で自動運転の試験走行中の車が死亡事故を起こしたことを受けて、州が「事故を起こした企業の公道での実験を認めない」としたこともIT企業には逆風だとして売り注文が加速しました。
為替の値動きはダウ市場に引きずられるもの。
3/27の為替市場も対ドルで大きな下落が見られました。
これは為替の流れではなく、株式の流れを考えてみると、理由がよく分かります。
アメリカ企業の株を買っているのはアメリカ人だけではありません。
外国人(欧州、中国、日本)もアメリカ株式市場に参加しています。
こうした人がアメリカ株を買うと、ユーロ・元・円が売られ、ドルが買われます。
そこで買ったドルでアメリカ企業の株を買うのです。
その結果、ドルが上昇します。
しかし、逆にアメリカ株が売られれば、ドルが売られ、ユーロ・元・円といった通貨が買い戻されます。
その結果、ドルは下落するというもの。
3/27の為替相場における対ドルの下落は、欧州、中国、日本の投資家がアメリカIT企業の株を売ったからこその値動きだったと考えられます。
ダウ相場と為替相場の関連性について少し理解できたのではないでしょうか^^
FXだけの場合もIT企業の動向には注目
ここからは本題から少し脇道に逸れますが、
「FXだけで、株取引はやらないよ」
という人にもぜひ注目して欲しいポイント。
アメリカIT企業の動向にはFXトレーダーも注視すべきということ
IT業界はいまやアメリカ経済の牽引役です。
アメリカの時価総額ランキングTOP10(2018年2月末)を見てみましょう。
1位・・・アップル(9,038億ドル)
2位・・・アルファベット(7,678億ドル)
3位・・・アマゾン(7,322億ドル)
4位・・・マイクロソフト(7,220億ドル)
5位・・・フェイスブック(5,180億ドル)
6位・・・バークシャー・ハサウェイ(5,108億ドル)
7位・・・JPモルガン(3,964億ドル)
8位・・・ジョンソン&ジョンソン(3,485億ドル)
9位・・・バンク・オブ・アメリカ(3,288億ドル)
10位・・・エクソン・モービル(3,209億ドル)
参考値:トヨタ自動車(2,002億ドル)
http://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
なんと、1〜5位までIT企業が独占しています。これら5つのIT企業を総称して、BIG5とも呼ばれていますね。
世界時価総額ランキングで見てもBIG5は6位までに全部入っています。
如何にIT企業がアメリカ経済を牽引しているのかお分かり頂けるかと思います。
これらの企業の業績が悪くなる、失態が明らかになるといった際には、ダウ相場全体に悪影響が出るのです。
日本でも、自動車関連の業績が悪くなると日経平均が下がりますよね?
これと同じことがアメリカのIT企業にも言えるのです。
IT危機から持ち直した様に見えるけど・・・
IT危機から丸1日が経とうとしている3月28日21時現在、、、
前日の下落は取り戻しましたが、ドル円の大きな流れは変わっていません。
トランプ相場と呼ばれた強気の上昇相場は終わり、弱気相場に入ったという見方も複数出ています。
参考:
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-11/P2DAIU6KLVRF01
http://jp.wsj.com/articles/SB11603097433702364731104584128252699161212
思えば2008年の相場も、サブプライム危機から持ち直したかと思いきや、リーマンショックでしたからね。
いずれにしても、今回の「Facebookの個人情報流出」と「自動運転実験の事故」がきっかけで新たな金融危機が起こらないことを祈るだけです(*´・ω・`)
コメント