北朝鮮情勢がさらに緊迫した状況になっています(( ;゚Д゚))
8月29日に日本上空を通過するミサイルを発射して、Jアラートが発動しました。
9月3日には6回目となる核実験が行われました。
そして注目されるのは北朝鮮の建国記念日となる9月9日。過去にも核実験やミサイル発射が行われた同日に北朝鮮はどういった動きをするのかが注目されています。
最悪の場合、アメリカと北朝鮮の間で戦争が開戦し、アメリカの同盟国である日本が攻撃されるという事態も考えられます。
あまり想像はしたくはありませんが、もしそうなってしまった場合に為替相場はどう動くのか考えておく必要がありますね( ・`ω・´)
過去の有事の事例を踏まえて、北朝鮮有事が起きてしまった場合の為替の値動きを予想していきます。
過去の有事の値動き
かつては「有事のドル買い」という相場の格言がありました。アメリカは軍需産業が栄えていますから、戦争などの有事の際は兵器を製造するメーカーの株が買われる、つまりはドルが買われるという構図がありました。
しかし、それは2001年の911以前の話。911のテロで第二次世界大戦後初めてアメリカ本土が攻撃されたということで、その時にはドルが売られたのです。
911以降、「アメリカも標的となり得る」ということが投資家の間でも常識となり、一概に「有事のドル買い」とは言えなくなってしまったのです。
では今回の北朝鮮絡みの戦争が勃発した場合はどうなるのか?
過去の有事の際の値動きを参考に予想してみることにしましょう。
911テロ・アフガニスタン紛争
2001年9月11日、NYでの世界貿易センタービルへの旅客機突入のテロ事件と、それをきっかけとして10月7日に勃発したアフガニスタン紛争時のドル円の値動きです。
911テロ事件の直後は円に対してドルが売られる展開となりました。
そして10月7日にアフガニスタン紛争が勃発、この日は日曜日だったので翌日である10月8日以降はドル買いの展開となりました。
一方、ユーロドルでは・・・
911直後はこちらもドル売り、アフガニスタン紛争勃発後はドル売りに転じました。この辺りはセオリー通りとも言えますね。
イラク戦争
続いて2003年3月20日のイラク戦争勃発時の相場を見てみましょう。
ドル円では一旦ドル買いが見られましたが、長期的にはドル売りの展開となっています。
続いてユーロドルです。
戦争勃発前後でも相場の流れ的にユーロ高の方向は変わっていません。
東日本大震災
そして3月11日東日本大震災の為替相場を振り返ってみましょう。
まずはドル円ですが・・・
東日本大震災直後は大きく円高に触れています。その後一時的にドル高となりますが、長期的には円高が継続して、ドル円の過去最安値を更新することになりました。
こちらはほぼ影響は見当たりません。アメリカにしても、EU諸国にしても、影響は限られてきますからね・・・
結局は円買いの展開?
今年の3月以降、ドル円の相場は完全な戻り売り相場です。
思えば3月頃から北朝鮮情勢にはピリピリしていますからね(´ж`;)
で、結局はこういう状況って、
円買いが優勢なんですよね
これは投資目的で円を買うというよりは、
ポジションのクローズによるものだろうと思います。
日本は世界最大の対外投資国です。景気が良く、地勢的なリスクがない時には新興国への投資が行われますが、今回のようにリスクが高まると、リスク回避のためにポジションを閉じることが多くなるのです。
それが顕著に出ていたのが、東日本大震災時ですね。
ただその時と今とでは状況が少し異なっていて、2011年はリーマンショックの傷跡が癒えない状況でしたが、今はアベノミクスなど景気が上向きの状況です。
きっと2011年時よりも多くのお金が海外に投資されているんでしょう。
その分だけ、有事の際にリスク回避のためのポジションクローズが行われると、円高が顕著に進行すると考えられます。
まとめ
- 「有事のドル買い」は過去の話。むしろ今回の様にアメリカが標的となる事態だと、むしろドルが売られることも考えられる
- 有事の際はリスク回避のため投資ポジションがクローズされ、結果として円買いを引き起こす
- 2017年現在は景気が良いため日本から海外に向けて大量の投資がされている。これらのポジションが閉じられると2011年以上の円買いの可能性がある
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