FXそのものの仕組みとと株取引との違い、FXの魅力について理解できたところで、ここではFXトレードの基本について解説していこうと思います。
ここを読めばトレードについてご理解頂けると思います!
FXの注文はFX業者を通して行う
通貨の両替、取引を行い値付けをしているのが外国為替取引所。FXではトレーダーが自ら外国為替取引所で通貨の売買を行うのではなく、間に業者を挟んで注文します。
トレーダー達からの注文を取り集めて、代表して外国為替取引所に注文を出すのがFX<業者なのです。FX<業者は言ってみればトレーダーのパートナーです。
業者には国内外、様々な会社があります。国内で言えばヒロセ通商、DMM、GMOなどが有名です。海外ではXM、FXDD、OANDAなどの会社が有名となっています。
FXの取引手数料ってどうなってるの?
海外旅行などに行って、日本円を現地通貨に両替するときには手数料が掛かってきますよね。
銀行や両替所によって手数料は違いますが、例えば米ドルを取引する場合を例に取ると、
日本の銀行であれば1通貨あたり1円の手数料が掛かります。
FXではレバレッジを効かせて、資金以上の額の取引を行います。1万通貨とか取引するとなると、手数料だけでも膨大になってしまうと思ってしまうところですが、今では殆どのFX業者が取引料0円としています。
これはFXの取引にはスプレッドという実質的な取引手数料があるからなのです。
FXの実質の取引手数料「スプレッド」を理解しよう
FXには売買手数料(ほとんどのFX業者が0円としている)の他に「スプレッド」という実質的な手数料が存在します。スプレッドとは買値(Bid/ビッド)と売値(Ask/アスク)の差額の事です。買値(Bid)は私たちトレーダーが売る際の値段、売値(Ask)は私たちトレーダーが買う際の値段となります。
買値・売値はFX取引業者側から見たものですので最初は分かりにくいですが、
要は、
価格が低い方が私たちが売る値段
価格が高い方が私たちが買う値段
と覚えておきましょう。
この買値・売値はFX業者が自由に設定して、2つの差額がFX業者の利益(取引手数料)となります。
スプレッドはFX業者によっても異なりますし、通貨によっても異なります。また相場が大きく動いている時にも変動することがあります。
スプレッドは業者によって異なる
スプレッドは同じ通貨であっても取引業者によって異なります。
例えばドル円のスプレッドだと、私が日頃よく使う口座では、
業者 | スプレッド |
XM | 1.8pips |
OANDA | 0.4pips |
ヒロセ通商 | 0.3pips |
となっています(1pips=0.01円)。
通貨によってもスプレッドは異なる
同じ業者でも通貨ペアによってスプレッドは異なります。
これはヒロセ通商のレートパネルですが、右上に0.3とか0.5とか1.3といった表示がありますが、これがスプレッドになります。
ヒロセ通商では、
ドル円=0.3pips、ユーロ円=0.5pips、ポンド円=1.3pipsがスプレッドとなっています。
スプレッドは時間帯によっても変化する
スプレッドは同じ業者、同じ通貨ペアであっても時間帯によって変動する事があります。
大きな指標の発表直後など相場が大きく動く時や、月曜日の早い時間で開いている市場が少ない時なんかはスプレッドが大きく開くことがあるので注意しましょう。
注文から決済まで〜トレードレートの基本〜
FXの仕組みをご理解頂けたところで、トレードの基本について解説していこうと思います。
レート表示の基本
トレードレートのパネルで通貨ペアはアルファベット3文字の通貨コードというもので表示されています。
代表的な通貨コードは下記の通りです。
通貨コード | 通貨 |
---|---|
USD | アメリカドル |
JPY | 日本円 |
EUR | ユーロ |
GBP | イギリスポンド |
AUD | オーストラリアドル |
CAD | カナダドル |
通貨コードはISOで規定されているので、業者などによって変わることはありません。
通貨ペアの表し方
上のレートパネルの例でもあるように通貨ペア(売買をする2つの通貨)はUSD/JPYのような形で表されます。この並びもどこの業者を使うにしても必ず同じ並びになります。
そして”買う”注文をする場合には、右の通貨を売って、左の通貨を買うという形になります。
“売り”の注文をする場合にはその逆です。
取引をする際にはロットを指定する必要があります。
ロットは取引単位で何通貨取引するかを指定することになります。最小単位は業者によってことなりますが、上のように1Lot=1,000とあれば1,000米ドルを取引することになります。
大体1Lot=1,000通貨か1Lot=10,000通貨の業者が多いです。ロットを枚と言ったりすることもあります。例えば1Lot=10,000通貨の場合、2枚と言えば2Lotで20,000通貨ということになります。
トレードの基本
FXが初めての方でも分かりやすいように米ドルと円の取引を例に出して説明していきます。
注文の基本
円を売ってドルを買うこととします。このようにレートパネルの右の通貨を売って、左の通貨を買うことをロングと言います。
逆にドルを売って円を買います。このようにレートパネルの左の通貨を売って、右の通貨を買うことをショートと言います。
ロングでもショートでも最初に出す注文の事をエントリーと言います。
注文をして、「ロングしている」「ショートしている」という状態をポジションを持つといいます。言い方は人によるところもありますが、「ポジション持ってる」とか、ちょっと玄人っぽい人は「ポジション建てる」とか言ったりします。
売り買いをしていない状態の事をノーポジションと言います。これも「ノーポジ」とかと略したりします。
ポジション保有時の基本
エントリー注文を出してポジションを持つと、ポジションレートを表示するパネルに現在のポジションに対する損益が表示されます。
ポジションを持っていて、そのポジションがプラスとなっている場合、収益分を含み益といいます。
上の図ではポジション損益の部分に注目して下さい。「4,700」と表示があります。これは現在のレートでは+4,700円のプラスが出ているという意味になります。
逆にポジションにマイナスが出ている時、その損失を含み損と言います。
気を付けなければいけないのは、含み益も含み損も現時点のものを言っている訳で決済をするまで収益も損失も確定したものではありません。なので口座の資金に反映されていない状態なのです。
なので含み益が出ていてプラスになっていても喜ぶのはまだ早くて、そこからマイナスに転ずることもあります。逆に含み損が出ていてマイナスであってもそこからプラスに転じることもあるのです。
ちなみにポジション損益の左隣にpips損益というものが表示されています。これはレートに対してどれだけプラスなのか、マイナスなのか表しているものになります。ドル円、ポンド円、ユーロ円などでは1銭=1pipsとなります。ポジション損益は枚数に依るものになりますが、pips表示は純粋にどれだけの動きを取れているのか計るのに便利ですし、自分の損益を金額で言いたくない時にはpipsで損益を言ったりします(私のブログでもpipsで表しています)。
決済の基本
円を売ってドルを買い、それをさらにドルを売って円に戻す事を決済と言います。ドルを売って円を買い、その後ドルを買い戻すときも決済といいます。
決済を行うことで収益or損失が確定して、口座資金に反映されるのです。
決済をするとポジションを持っている状態からノーポジションの状態に戻るので、決済のことをクローズと言ったりもします。海外のFX業者を使う時にはポジションクローズとも言うので覚えておくと便利です。
そしてプラスの状態から決済をすることで収益を確定させることを利益確定(略して利確)とか利食いと呼びます。収益分が口座の資金に反映されます。
ポジションがマイナスの時に、これ以上マイナスが大きくならないように損失を確定させることを損切りと言います。アメリカドルをロング(買い)しているけれど、値段が下がりそうだという場面で、損失が出ているけれどこれ以上損失を増やさないという場面で損切りは行うのです。
スワップポイントって何?
実際にFXでトレードをし始めると、スワップポイントという項目が目に入ってきます。通貨ペアによってプラスとなったり、マイナスとなったりします。
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差のことです。
FXの特徴的な部分で、2つの通貨の金利差によって利益がもらえたり、逆に支払いが生じるたりします。
通貨にはそれぞれ国が定めた金利があります。
2016年6月現在の主要通貨の政策金利はコチラの通りです。
米ドル | ユーロ | ポンド | 豪ドル | 円 |
0.50% | 0.00% | 0.50% | 1.75% | 0.10% |
基本的には金利の安い通貨を売り、金利の高い通貨を買って、そのまま保持し続けると金利格差の差額がプラスとなって利益を得ることができます。
逆に金利の高い通貨を売って、金利の安い通貨を買って、そのまま保持すると金利格差の差額がマイナスとなりスワップポイントを支払わなければなりません。
上のスワップポイント一覧は国の政策金利で、FX取引におけるスワップポイントについては利用するFX業者によりけりなので、上の限りとは限りません。スプレッドを狭くしているFX業者の場合はスワップポイントで得られる利益が少なくなる傾向にあります。
通常の外貨預金であれば金利による利益が得られるのは1年に1回ですが、FXでは日付が変わる度にもらえます。日をまたいでポジションを持ち越すことでスワップポイントが加算されます(これをロールオーバーと言い、タイミングは業者によって5時だったり、6時だったりと微妙に違います)。
スワップポイントの計算
ここでは米ドルと円の取引の場合でスワップポイントの計算の仕方を見てみましょう。
例えば円を売って1万ドルを買った場合、
米ドルの金利が0.50% 日本の金利が0.10%なので、
0.50% - 0.10% = 0.40%が金利差になります。
為替レートが1ドル=100円とした場合に、1年間に得られるスワップ金利を単純計算すると、
0.40(%) ✕ 100円 ✕ 1万通貨 = 4,000円となり、
1日当たりのスワップ金利は、
4,000 ÷ 365 = 約11円 となります。
しかしこれはあくまで政策金利を試算したものなので、FX業者毎に通貨ペア毎のスワップポイント一覧を公開しているので、そちらを確認するほうが確実でしょう。
ちなみに私が使っている主なFX業者のスワップポイント一覧のリンクを掲載しておきます。
スワップは雑音
FXを始めるに当たって覚えておくべきトレードの基本ということで、スワップポイントについて解説してきました。
通貨ペアによってはスワップポイントで利益を得ることが可能なのですが、しかし、ここまで書いておきながら、私はスワップだけで儲けようとするには限界があると考えます。
むしろスワップポイントだけで儲けようという考えは多くの危険がはらんでいます。こちらにもその危険性を書いているので、スワップ目的でFXを考えている方は一度御覧ください。
https://fx-kawase.site/wp/trade-theory/2016/06/30/00/54/45
上のスワップ計算式で挙げたように1年間米ドルを1万通貨ロング保持したところでたかだか4,000円しかプラスになりません。
もちろん1万通貨以上持てばいいのですが、例えば年間100万円稼ごうとした場合には250万通貨必要となります。
250万通貨持っていて、為替レートが1円値下がりしたらどうなりますか?
マイナス250万円の損失ですよ。
為替レートが10円値下がりしたら?20円値下がりしたら?
もちろん逆に値上がりすれば大儲けですが、どちらに転ぶか分かりません。
それであれば、売買を繰り返して売買益を取っていくほうが、より確実により早く稼げると思いませんか?
売買を繰り返していき、何万円もの利益・損失を出していくなかでは1日10円の損益なんてまったく気にならないでしょう。
スワップポイントというものは単なる雑音でしかないのです。
これに気を取られて誤ったトレード判断をしないようにしましょう。
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