為替相場に大きな影響を与えるイギリス国民投票が迫っている

イギリスのEU離脱是非を問う国民投票が来週6月23日に迫ってきました(日本時間では6月24日の早朝)。
来週のXデーに備えFXトレーダーは相場にどのように臨むべきか、私の考えを・姿勢を書いておきます。

Contents

イギリス国民投票とは?

2016年6月23日にイギリスで行われる国民投票は、イギリスのEU離脱是非を問うものになります。イギリス国民のEU離脱思想が世論で高まってきたのを受けて、今年2016年2月20日にキャメロン首相が同年6月23日にEU残留を問う国民投票を実施することを発表しました。

遠い国の話ですし日本でメディアに取り上げられる機会も多くはありませんが、FXトレーダーにとっては超一大事です。

なぜイギリスはEUを離脱したいのか?

そもそも、なぜイギリスはEUを離脱したいのか?
EUに加盟していれば、EU加盟国内で自由に経済活動ができるため、イギリスが経済的に受けるメリットは非常に大きいのです。
それにも関わらず、イギリスがEUを離脱したい理由、その本質は移民問題にあります。

元々、EU加盟国である東欧諸国や旧植民地からの移民が多かったイギリスですが、昨今ではシリアなど中東情勢の悪化から難民を受け入れるなど移民の数が増大しています。
移民流入によって安い賃金で雇える労働者が増えると平均賃金が下がりますし、社会保障の負担も膨れ上がります。加えて治安の悪化やテロの不安など様々なリスクが伴います。

では、移民の受け入れを拒否すれば良いのではないかと思ってしまうところですが、そうもいかないのです。
移民の受け入れに関して、EU加盟国はEUが取り決めたルールに従わねばならず、イギリスの独断で移民の受け入れを拒否することはできないのです。

こうした背景からイギリスの国民感情は「これ以上の移民の受け入れは無理!」「EUに加盟しているから移民拒否できないなら、EU離脱しよう!」という向きに変わっていったのです。

イギリスがEUを離脱した場合の影響は?

国民投票の結果、イギリスがEUから離脱となった場合、どのような影響が起きるのでしょうか?

一番大きな影響として考えられるのは、ヨーロッパ市場の中枢としての地位の陥落だと思います。

現在、世界の為替市場は3大マーケット。ニューヨーク、東京、そしてロンドンです。ロンドンは古くから金融の街として、為替のみならず株や先物の取引の中心地でした。それは現在も変わらずで、世界中の金融機関がロンドンに拠点を置いています。ロンドンに拠点を置くことで、EU加盟国内での金融取引が可能となっていたのです。

しかし、イギリスがEUから離脱となると、金融機関がロンドンに拠点を置く意味がなくなってしまいます。そうなるとイギリスに拠点を置く金融機関は別のEU加盟国(ドイツかフランスと言われています)に移転する可能性が大なのです。

そうなると、イギリスで職を得ていた人が失業することになってしまい、経済不安が広がってしまうのです。

FXトレードにはどのように臨むべきか?

イギリス国民投票はポンド絡みの通貨だけでなく、全ての通貨に大きな影響を与える

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FXトレーダーにとって一番の関心どころはここでしょう。開票して結果が発表されるのは日本時間の24日お昼ころになるようですが、どのように為替が動くのかは本当に誰にも分かりません。

イギリス国民投票の結果を気にすべきなのはポンド絡みの通貨をトレードする人だけではありません。全てのFXトレーダーが要注意です。上にも書いたようにロンドンは世界3大市場の一つであるため、影響があるのはポンドだけではないのです。

EU残留となった場合には混乱は少なくて済むかと思いますが、もしEU離脱となれば大混乱が生じるものと思います。それこそスコットランドの独立是非を問う国民投票の時とは全然違い、大きな乱高下が起きるだろうと。リーマン・ショックのような混乱が生じるんじゃないかと考えています。

トレードはしないに限る

私はトレードしません。チャートパターンから、勝てる所だけで勝負をする堅実なトレーダーはトレードしないことでしょう。
大きな動きが期待できるのですが、その分負ける可能性も大いにあるのです。別にここで稼がなくても、他に稼ぐ所はあるので、無理にここで勝負する必要はないと考えています。

一か八かの大勝負に出るのであれば、枚数を抑えて一発大勝負してもいいとは思います。しかし、着実に儲けを積み重ねていくトレーダーであれば、勝負は控えるべきだと思います。

どんなにギャンブラーでも勝負は24日のクローズまでではないでしょうか。

イギリスがEU離脱となって、週末を迎えたら・・・
翌週のオープン時はとてつもない大きな窓が空きそうな気がします。そしてその窓もちょっとやそっとでは埋まらない気がします。
なので窓埋めのトレードも、今回に限っては大きな賭けとなると思っておいた方が良いかと思います。そもそも、私は窓埋めトレードは当てにならないと考える派なのですが・・・

まとめ

  • イギリス国民投票の結果次第で為替相場は大きな混乱が生じる可能性がある
  • FXで確実に儲けを出したい人はイギリス国民投票前後はトレードしない方が良い
  • イギリス国民投票の翌週オープン時には要注意!窓が空いても直ぐに埋まらない可能性もある