通貨危機のベネズエラ

スワップポイントは単なる”おまけ”で、それだけでは稼げない。

何年もFXをやっているトレーダーにとっては常識ですが、Twitterなどで退場間際になっているトレーダーをちょくちょく見かけます。

参考記事:スワップポイントだけでは儲けられない理由

今、ベネズエラはハイパーインフレで通貨危機の状況です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3342758026072018EAF000/

スワップで稼ごうと思っている新参トレーダーはこれを踏まえてトレードスタイルを見直すことをオススメします。

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ベネズエラ通貨危機では100万%のインフレ

IMFによると2018年中にもインフレ率が100万%にも達するというそうです。

100万%インフレということは、通貨の価値が1万分の1ということになったということです。

参考までにベネズエラ

ベネズエラ・ボリバル(vs円)のチャート

2年前は1ボリバル=20円だったのが、もはや紙くずレベルに。

100万%のインフレというと、日本円に置き換えると1万円が1円の価値に。

缶ジュースを買うために100万円の札束を持ち歩かなければいけないような事態です。

これは1923年のドイツや2000年台のジンバブエに匹敵する上昇だそうです。

まさに異常事態なのですが、FXトレーダーにとっては対岸の火事ではないと思います。

特にスワップ狙いで高金利通貨を保有しているトレーダーにとっては。

高金利通貨の現状は?

高金利通貨の国として代表的なところは、

  • 南アフリカ
  • トルコ
  • メキシコ
  • ブラジル

などが挙げられます。

これらの国の共通点はインフレ率が高く、経済規模が小さいこと。

通貨の価値が下がり続けてインフレが起きているから、高金利を掛けて、資金がその通貨に集まるように仕向けています。

また、高金利通貨の国は基本的に経済規模が小さいです。

各高金利通貨のGDPを見てみると、

  • トルコ→8577億ドル
  • 南アランド→2948億ドル
  • メキシコ→1.046兆ドル
  • ブラジル→1.796兆ドル

【参考】

  • 日本→4.939兆ドル
  • アメリカ→18.57兆ドル
  • ベネズエラ→3710億ドル

※数字はいずれも2016年のものです。

人口や地域によるところも大きのですが、南アフリカはベネズエラよりも小さく、トルコはベネズエラの倍ほどです。

つまりベネズエラのようなインフレ、通貨危機が起きない保証はどこにもないということ。

トルコリラの価格を見てみると、ここ数年でこれだけ変動。

トルコリラvs日本円の月足チャート

約4年で半分以下にまで値が落ちています。

2014年以降にレバレッジ掛けてロングした人はとっくに退場&死亡していることと思いますが。。。

ここからベネズエラ・ボリバルのように0円近くまで落ちる可能性はゼロではないですよ。

数年前まで高金利通貨の代表格であったオーストラリアドルですが、オーストラリアは経済規模が大きく、ベネズエラのようになる可能性は低いです。

といっても2018年7月時点で金利は1.50%で、もはや高金利通貨とは呼べない現状。

次のベネズエラになる可能性も

トルコにしろ、南アフリカにしろ、高金利を掛けて外貨を獲得しようとしているわけです。

ベネズエラとまではいかないにしても、スワップ狙いでロングしている人が多いトルコ、南アフリカでインフレが起きて、通貨価値が暴落しようものなら資金がゼロになるばかりか、追証まで覚悟が必要ですよ。

トルコ、南アフリカが次のベネズエラにならない可能性は決してゼロではありません。

まとめ

・高金利通貨の国は経済規模が小さい
・外貨獲得のために高金利を掛けている
・ベネズエラのように100万%のインフレが起きないとは限らない

FXは価格差益から利益を出すものです。

ベネズエラの状況が対岸の火事ではありません。
トルコリラ、南アフリカランドなどをスワップ狙いでロングしてポジションが塩漬けになっている人は早めに目を冷ました方が良いと個人的には思います。

この機会にスワップポイントだけでは稼げないことを再認識して頂ければと幸いです。

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スワップポイントだけでは儲けられない理由