FXって毎日スワップポイントで儲けられるみたいだから、始めてみようかな・・・
そう考えている人にぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
それは・・・
FXはスワップポイントだけで儲けることができません
ここ2022年より日米金利差拡大などもあって、急速に円安が進んできました。
メディアで「スワップポイントで楽々収入!」などと謳ってFXがブームだという雰囲気を煽ったからなのか、FXトレードを始めようという方が増えているようです。
しかし、スワップポイントだけで儲けられるほどFXトレードの世界は甘くありません。
今回はなぜスワップポイントでは儲けられないのか、なぜスワップポイントを煽る人が沢山いるのかを解説して、スワップポイントとの付き合い方を紹介します。
スワップだけでは儲からない理由
長年FXトレードを行っている人たちの間ではスワップだけでは儲からないという事は常識です。
「スワップだけで儲けられる」と信じて、損する人はとっても沢山いて、Twitterでもその様子を見ることができます。
「スワップポイントだけでは儲けられない」という今では常識となっている考えが浸透したのはリーマン・ショックの頃。
私はその頃はまだFXを始めていなかったのですが、私はFXの師匠に口を酸っぱく「スワップ狙いは儲からない」と言われました。
なぜスワップポイントで儲けられないのか?
その理由は、
「スワップで儲けても価格差でむしろマイナスになる」
からなのです。
スワップだけで儲けられたのは過去の話
スワップ狙いが儲からない理由は、スワップで儲けても価格差額で一気に奪われるからです。
ただスワップ狙いでも儲けることができた時期はありました。それが2000年代前半〜2007年頃。
当時特に人気だった通貨はオーストラリアドルです。その頃の豪ドルの金利は10%近くあり、豪ドル円も下げ知らずの上げっぱなし状態だったのです。
このように豪ドル円はいつ買っても儲かる状態だったのです。もちろん下げる時もありましたが、レバレッジを低めにしてずっと持っていれば必ず上がるという状態が続いたのです。
かの有名な4億円主婦もこの動きに乗じて儲けたみたいですよ。
そしてロングを持っていればスワップも毎日数千、数万円と付いてくるという事でまさにスワップ派の全盛期でした。
しかし、覚えておいて欲しいのは、
この時期に儲けた人もスワップポイントではなく、為替差益で大きな利益を出していたという事実です。
「スワップで儲けられる」と聞いた人が豪ドルをロングしたら、たまたま為替差益でガッツリ利益が出てウハウハという状態だったんです。
多くが退場に追い込まれたサブプライムショック
いつでも取り敢えず豪ドルを買っておけば儲かる時代だった2007年にサブプライムショックが起き、変化が起こります。
アメリカの住宅ローンが不良債権化とした金融危機で、リーマン・ショックの引き金となった事件とも言われています。
サブプライムショックのときの週足を見てみると、その衝撃が大きかったことが分かります。
サブプライムショックで豪ドル円は1ヶ月で20円以上も値下がり(円高)進行しました。これまで取り敢えず買えば儲かるといわれた豪ドルに変化が起きたのです。
この時に多くのスワップ派が大損を被ったと言われています。
トレードについてろくに勉強もしないまま市場に参加してきたトレーダーが多くいたため、「何も考えなくても買えば儲かる豪ドル」に手を出したのです。
当然ストップもかけていません。
レバレッジも高く(当時は国内業者でも400倍のレバレッジが可能)、証拠金以上のマイナス(追証)になって退場に追い込まれたトレーダーも多くいたそうです。
コツコツ積み重ねたスワップ益がこうした急落で一気に吹っ飛んでしまうのです。
利益が吹っ飛ぶだけでなく、場合によってはマイナスになってしまいます。
ざっくり計算ですが、1ドル=105円として豪ドルと日本円のスワップが10%(2007年の水準)だった場合、
1万豪ドルをロングして得られるスワップ利益は、
105円 ✕ 1万通貨 ✕ スワップ10% ÷ 365 = 287円/日
1日で287円のスワップ益が得られるということです。
1ヶ月では287円✕30日=8,610円ですが、価格レートが20円値下がりすれば、マイナス20万円の損失を被ることになるのです。
8,610円を儲けようとしていたら、20万円の損失を被ってしまったのです。
忘れてはならない追証のリスク
ストップやロスカットがあれば損失は制限できるのでは?
ストップやロスカットがあっても、一瞬で急激な値動きがあった場合にはそれらが機能せず、証拠金以上の損失(追証)を被ってしまうことがあります。
長年FXをやっている方であれば、2016年10月のフラッシュクラッシュによって瞬間的に数百PIPSもの下落があったことはご存知でしょう。これによって証拠金以上の損失を被り、退場へと追い込まれたトレーダーも数多くいただようです。
これがいつ、どの通貨で起きるのか誰にも予想はできません。
瞬間的な変動・フラッシュクラッシュに対応する手段は下記の記事も読んでみてください。
追証による借金リスクをゼロにするには海外FXがおすすめです!
スワップ派を根絶やしたリーマン・ショック
サブプライム・ショックを何とか乗り越えたスワップ派も、2008年に起きたリーマン・ショックによって根絶やしにされました。
リーマン・ショックでは、1ヶ月で約30円もの値下がりが起こりました。
こうした急落はポジションを自らの意思で手放すのではなく、含み損が膨らみすぎて、ロスカットなどにより手放されたことによるものです。
必要証拠金維持率を割ってしまった・・・
といった形でFX会社による強制決済(ロスカット)によって起きるのです。
スワップで儲けられると信じてロングポジションを手放さなかった人たちが、リーマンショックによって、ロスカット・追証そして退場へと追い込まれ、借金まみれになってしまったのです。
強制的にロングポジションが決済(ロスカット)されることで、ショートの注文が入り、連鎖的に1ヶ月で30円もの値下がりに繋がったのでしょう。
リーマン・ショック後の急落はいわばスワップ派が死んでいった跡とも言えるでしょう。
このサブプライムショック、リーマンショックがあって、スワップ派が絶滅して、その記憶が風化される前にFXを始めた人(私もです)はスワップは儲けられないという事をよーく知っているのです。
スワップでは儲けられないというのは歴史が証明しています。
数年の為替の値動き(FXの歴史)を学べば明らかなんです。
「スワップで儲けよう」は単なる呼び水
長年FXをやっている方であればスワップで儲けられないことを十分に知っています。
ただ新たにFXを始める方はそのことを知らず、スワップでコツコツ稼いでいこうとして、為替差損で逆に大損を被ってしまう人が後を耐えません。
それは世の中に「スワップで楽々副収入!」といった形の事を謳って、FXを勧めるブログやホームページが多いからではないでしょうか。
「スワップで楽々副収入!」というのをXやブログでよくあるけど・・・
「スワップ儲かる」はFX会社の”呼び水”です!
FX会社が顧客を獲得するために、「スワップで簡単に儲かる」と宣伝して口座開設を促しているのに過ぎないのです。
Xなどで一般人がそのように言っているのもアフィリエイト収益目的です。
サブプライムやリーマンショックの苦い記憶がない人をスワップ派に引きこもうとしているんですね。
“スワップで儲かる”はただの広告報酬目当
「スワップで儲けられる」としてFXを進めるブログやホームページは非常に沢山あります。
こうしたものは口座開設によって広告報酬を得ることを目的にしたアフィリエイトサイトですのでご注意下さい。
アフィリエイトが悪い訳ではありません。私もやっていますし(笑)
問題は、
- 「スワップで儲けられる」と謳ってFXを勧めているブログ・ホームページの管理人はFXで実際にトレードしていない人 or 儲けていない人
- スワップで儲けられないことを知っていながらアフィリエイト報酬目当てで口座開設を勧めている
ということなんです。
上にも書いてきたように長年FXトレードをやってきた方であれば、スワップでは儲からないという事を嫌というほど分かっています。
にも関わらず「楽々」「簡単」「毎日収入」というプラス面だけ強調して、マイナス面となるリスク(為替差額でポシャる、追証のリスク)をはぐらかして、「スワップで儲けよう」と謳うのはほとんど詐欺に近いものがあります。
FX相場はルールを覚えるだけなら株や先物よりは簡単ですが、簡単に稼げるほど楽ではありません。
ポジションを持っているだけで儲けられるというのは真っ赤なウソというのをよく理解しましょう。
スワップポイントとの付き合い方
金利差益によるスワップポイントは単なる”おまけ”として捉えましょう。
スキャルピングの人なら関係ありませんが、デイトレ・スイングのスタイルの人だと多少のプラス・マイナスが付くこともあるでしょう。
プラスになったらラッキーくらい、マイナスなら単なる手数料程度に考えておきましょう。
スワップポイントはFXトレードの本質ではなく、単なるおまけなのです。
スワップポイントで儲けている人の本質は”うねり取り”
しかしながら、世の中にはスワップポイントで収益を挙げている方がいらっしゃるのも事実です。
こちらのブログは豪ドルのスワップポイントで毎年安定した収益を挙げている方のブログです。
しかし、この方はスワップポイントだけで収益を出しているのではありません。
儲けている本質は”うねり取り”にあります。
うねり取りとは株取引の世界では有名な手法の一つで、細かい値動きの上下を捉えるのではなく、周期的に訪れる大きな波を取っていくというものです。
上で紹介したブログの方もそうですが、本当の儲けはうねり取りによる価格差益から生まれているのです。
スワップポイントはあくまで価格差益のおまけとなっています。
FXは価格差で利益を得るものだということをよく覚えておきましょう。
必ずストップは設定して、どういう値動きをするのか、いつ上がるか、いつ下がるか、各国の経済・政治の動向やチャートパターンから価格変動を予測して売り買いをするものなのです。
ポジションを放置してるだけで儲かるなんてことは絶対にありえないのです。
FXの魅力はレバレッジ取引、長期保有なら投資信託の方が確実
長期保有・ほったらかしで儲けるならFXよりNISAなどで投資信託
ほったらかしで儲けたいなら、FXよりNISAで投資信託(S&P500など)をやっていた方が着実です。NISA、投資信託はレバレッジ取引はできませんが、FXでスワップ狙いの長期保有ならレバレッジを低くしないといけませんし。
私もFXとは別にNISAで投資信託を積み立てています。
FXの魅力はレバレッジ取引
FXの魅力はレバレッジ取引にあると考えています。株取引にはないハイレバレッジでの取引ができるので、少ない資金で大きく稼ぐことができます。
トレードスタイルはデイトレ、スイング(2〜3日の保有で取引するスタイル)で行うのが良いのではないでしょうか。スキャルピングは本職を持っている人には向かないです。
FXはレバレッジを活用して一気に稼ぐもの。低レバレッジでコツコツ利益を積み立てるなら、FXより株・投資信託の方が効率が良いです。
まとめ
スワップでは儲からないということがお分かり頂けただけでなく、FXの裏側が少し見えてきたのではないでしょうか。
今回の記事のおさらいです!
- スワップポイントだけでは儲けられない
- なぜなら為替レートの変動により、スワップポイントの利益は一瞬で消される
- 「スワップで儲かる」はFX会社の呼び水
- FXは為替レートの変動・為替差益で儲けるもの、スワップポイントは単なるおまけ
- 低レバレッジ・長期保有なら、NISAで投資信託の方が良い
※この記事を読まれた方は、下記の記事も合わせて読んでみて下さい
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コメント
コメント一覧 (2件)
イケダハヤトとかいうペテン師に教えてやりたい。
長年FXで戦ってきた人はスワップじゃ儲けられないこと知ってますよねー。
記事の中で紹介しているブログ、とても勉強になりました(*^^*)
としさん
「スワップで稼ごう!」ってブログを書いて炎上してる人ですね笑
無知な人を騙してアフィリエイトで稼ごうって魂胆がミエミエですよね。
こういう人がいるからFXに悪いイメージが付きまとうのかも・・・